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良質な油を選び炎症を抑えて快適生活

私たちが口にするもので、油というのは盲点かもしれません。油の取り方や選び方について警告を発するのは、山田豊文氏で、『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』(河出書房新社、2007年)で詳細に説明してくれています。たとえば、私たちの脳と油は密接につながっているといいます。なぜなら、脳の60%は脂質で構成されているからです。誤った油を摂ると脳に炎症を起こすことになります。

特に妊婦や乳幼児の油の摂り方には注意が必要です。いくら子どもに一流の生活環境を整えても、三流の食事を与えていては意味がありません。体も、脳も、心もすべては食べたものからつくられています。質のよい食事をとることは、一流の教育を受けることと同じと認識したほうがよいようです。

具体的には、現代人の食事にトランス脂肪酸であふれ、オメガ3が欠乏しているといいます。どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、オメガ3は魚油やアマニ油などに豊富に含まれている脂肪酸で、これらを積極的に摂ることが推奨されます。そして、アマニ油などを選ぶときには、ラベルの表示に「コールドプレス(低温圧搾)」と書かれているものを選ぶとよいということです。コールドプレスとは、30度以上の熱を一切かけずに原料を搾って油を抽出し、そのままボトル詰めしたシンプルな作り方になります。手間はかかるので、割高感は否めませんが、むしろ植物油が安価で手に入ること自体が異常であり、疑うことが必要かもしれません。そして本来、食用油は生鮮食品なので、光を通さないボトルに入っているべきです。そして、冷蔵庫に保存すべきものでしょう。

一方、オメガ3は健康に効果がない、あるいは、有害ですらあるという見解もあるので、気になる人は両論を比較しながら調べてみてください。

山田氏の整理によると油の分類は次のとおりになります。

・食べてはいけない:トランス脂肪酸でマーガリン、ショートニング等

・食べるなら控えめに:動物性脂と一部の植物性油でバター、ラード、ココナッツ油、ヤシ油等

・良質なものを普段使う:オメガ9でオリーブオイル、キャノーラ油等

・摂取量を減らすもの:オメガ6でベニバナ油、コーン油、大豆油等

・積極的に食べるもの:オメガ3でアマニ油、シソ油、天然の青魚の魚油等

この中で、オリーブオイルは、「エクストラバージンオリーブオイル」を選ぶことが推奨されています。ラベル表示に「コールドプレス」、「オーガニック認証」、「自社生産・自社瓶詰」と表示されていればなお望ましいことになります。

このように油に配慮し、変えていくと、体の炎症反応を抑えて、体調を良くしてくれることになります。あまり気にすることがない油にも、少し気をつけていくとことで快適な生活が送れることでしょう。

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