日本語と英語で同じことを言ったり書いたりしても、伝わる内容やニュアンスは大きく異なります。自分が生まれてから使用して自然に身に着いた言語を母語(mother tongue)といいますが、母語で書かれたものを英語に翻訳したからといって、執筆者の伝えたいことが読者に伝わるとは限りません。 夏目漱石の作品は、多くの日本人に愛...
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SEIJI YAMAKOSHI
1968年札幌市に生まれる。1991年東洋大学法学部卒業、1993年東洋大学大学院法学研究科博士前期課程修了。その後、損害保険会社や外資系保険ブローカー、外資系損害保険会社、金融サービス会社などに勤務。転職は5回。そのうち1回はもと在籍していた会社に再入社。2020年日本保険学会賞(著書の部)受賞。2023年神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了、博士(法学)。
SEIJI YAMAKOSHIの記事一覧
清水晶子ほか『ポリティカル・コネクトネスからどこへ』(有斐閣、2022年)を読めば、「ポリティカル・コネクトネス(ポリコレ)」あるいは「政治的正しさ」のことが理解できるかと思いましたが、私の結論は「わからない」でした。本書の3名の執筆者にしても「わからない」というのが本音だと思います。 著者の方もいっておられますが、ポ...
この写真の人物は、長崎県にあった高島炭鉱の労働組合書記長になります。炭鉱が閉山する時、彼は残務整理をし、北海道の仲間に会った後、雲仙にて自殺しています。タバコを吸いながらいい表情をしている彼にとって炭鉱は人生そのもの。書記長としての仕事も、彼にとってすべてだったのでしょう。ここに昭和の働き方をみる思いがいたします。 一...
スケールフリー・ネットワークという言葉を聞いたことがあるでしょうか。「基準(スケール)」が「ない(フリー)」ネットワークということですが、生態系はスケールフリー・ネットワークで成り立っているといいます。酒井敏『カオスなSDGs』(集英社新書、2023年)によると、生態系というのは誰も設計図を書いたり体系を作ったりしてい...
近年、働き方改革などといわれ日本の雇用形態も大きく変わろうとしています。今までは長期的労働契約とそれに付随した企業内訓練、社内競争を経た昇進による勤労意欲の増進など、「ゆりかごから墓場まで」的な労働環境が整えられていました。しかし、尾高煌之助「「日本的」労使関係」岡崎哲二=奥野正寛『現代日本経済システムの源流』(日本経...
今回で最終回になります。このような発想や方法もあるかな、という程度で参考にしてみてください。労働生産性を上げる方法は人それぞれというのが前提にあるからです。 労働時間削減については時間管理で有名なテイラーの科学的管理法などがあり参考になります。しかし、各労働者が取り組めることで労働生産性を高める方法は、意外にも私たちの...
アリ社会は、自らの組織を長期的に存続させるために、非常に多様な人材(アリ)で構成された集団を形成していることがわかっています。また、アリ社会では、よく働くアリは3割程度で、残りの7割は働いていないというのは有名な話ですね。 長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(中経の文庫、2016年)によると、この働かないで何もして...
昭和の労働観における公私混同は、夜の接待や休日のゴルフも含めて、土日も休みなく働くということでした。1980年代後半に「24時間戦えますか」という栄養ドリンクの広告がありましたが、まさしく四六時中働くのが昭和の時代だったかもしれません。 しかし時代は変わりました。今ここでいっている「公私混同」はまったく別です。ある経営...
一般的にオフィスワーカーは、都心のビルで働いています。そして、最先端のビルでは、快適と感じられる室温や湿度が一定に保たれているので、さぞかし労働者の生産性も高いと考えられています。しかし、人間は機械ではないので、どうも労働生産性を上げるには、環境に変化が必要なようです。前回紹介した、梶本修身『すべての疲労は脳から』(集...
普通は仕事でも勉強でも、「今日できることは今日やる」ということでしょう。しかし、「今日できる」と思う仕事が目の前にあり、締切期限が先にあるのであれば、明日に回してしまう方がよい場合があります。多くの方がそうだと思いますが、午前より午後の方が脳も体も疲れてきます。そこで無理をして難しい仕事をしてしまうと、ミスが生じ、軌道...
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