現代の栄養学の教科書をみると、糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質が三大栄養素で、生活習慣病を予防するためには、脂質の比率を25~30%に抑えるべきで、炭水化物は60%前後と、もっとも多く必要。「炭水化物:タンパク質:脂質」の比率は、「3:1:1」が望ましいということが書かれています。 しかし、夏井睦『炭水化物が人類を滅...
食・健康の記事一覧
砂糖は私たちの生活になくてはならないものでしょうか。砂糖が一般の人たちにわたるようになったのは、比較的最近のことのようです。夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書、2013年)に歴史的な経緯の記述があったので、簡単にご紹介したいと思います。 18世紀半ばから19世紀にかけてイギリスで産業革命が起こりました。それま...
京都市に糖尿病治療で圧倒的な実績を作っている高雄病院があります。そこで行われている食事療法の基本は次の二点です。 ご飯やパンなどの主食やいも類など、糖質の多い食品をほとんど摂らない 肉や魚、油ものなど、脂肪分やたんぱく質の多い食品は好きなだけ食べてもいい 今までの常識からすると、何とも意外な食事療法ですが、実践した患者...
「添加物は職人要らず」 食品業界において、「歩く添加物辞典」、「食品添加物の神様」などといわれる専門家の方がいらっしゃいます。安部司氏は食品添加物を利用して、様々なヒット商品を開発してきたその道のスペシャリストです。 安部氏によると「添加物は職人要らず」だと断言されます。添加物を使えば、技術がなくても簡単に一定レベルの...
腸内細菌学を樹立したパイオニアで、世界的権威の光岡知足博士の『腸を鍛える-腸内細菌と腸内フローラ』(祥伝社、2015年)では、医学に関する内容でありながら深遠な哲学が含まれています。 光岡氏は腸内細菌を同定・分類していく過程で、ヒトの健康にプラスに働く菌を「善玉菌」、マイナスに働く菌を「悪玉菌」と呼ぶことにしました。そ...
健康に関する説についてどれが正しいのか判断するのはとても難しいことです。私たちは一般的に、「カロリーは制限すべき」、「脂肪が糖尿病の原因」などと信じていることが多いと思います。しかし、医学に限らずあらゆる分野に「誤謬」というのがあります。簡単にいうと誤りです。英語でエラー(error)ともいっています。この誤りを見分け...
「16時間」断食の元祖は、青木厚医師であることを最近知りました。著書の『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム、2019年)において、一日三食が理想でるという考え方は、確固たる裏付けはないといいます。一日三食にすると以下のような問題があるそうです。 胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう 体内で炎症が...
ヒトは主に何を食べて生きてきたのか。この素朴な疑問に対して、今の日本人が「主食」としているお米、あるいはヨーロッパや中東で食べられているパンという答えが思い浮かびます。 しかし、人類の長い歴史を紐解くと人類が農耕をはじめたのはごく最近です。仮にホモサピエンスをスタートと考えると人類の歴史は700万年ですが、農耕文化はは...
小腸と大腸には、体の免疫細胞の70%が集まっているといいます。免疫細胞というのは、外部から体の中に入ってくる異物や毒素、病原体などをみつけて、あの手この手で排除してくれるので大切です。そんな免疫細胞が腸に集まっている理由はなぜでしょう。 腸は免疫細胞の最前線といわれるようですが、川本徹『結局、腸が9割』(アスコム、20...
カット野菜は、刻む手間が省けるだけではなく、切り口がいつまでもしなびなくて長持ちするのでいいと考えている人もいるかもしれません。あるいは、健康のためにランチにパックのサラダを買う人もいるのではないでしょうか。 安部司『食品の裏側』(東京経済新報社、2005年)の問題提起に、素朴な疑問として、なぜカット野菜やパックサラダ...
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