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「女性性」の時代を見定める

これから「女性性(femininity)」の時代であるということを聞いたことがあるでしょうか。女性が活躍する時代という意味ではなく、今まで「男性性(masculinity)」であった時代から、女性性の時代に移り変わるという意味です。

今までの男性性が優位な社会では、ピラミッド型の組織において、私たちは上位下達の命令系統で管理されてきました。しかし変化の激しい時代には、そのような組織では環境変化に対応できないので、フラットなネットワーク型の社会になっていきます。そのようなネットワーク内における人々の相互補完と信頼感の醸成で優位性を発揮するのが女性性の性質になります。

女性性は、感性や優しさ、寛容さ、直観、柔軟性などの性質を表わし、男性性は、論理や力強さ、決断力、行動力、指導力などの性質を表します。その点、女性は元々女性性が優位なので、時代の流れに乗ることでこれから活躍する場面が増えると思うのです。一方、男性も女性性は持ち合わせているので、女性性を重視した活躍の仕方を模索していくといいことになります。

なぜそのように思うのか、少し説明いたします。長い歴史を踏まえて考えると、ありえる仮説であるし、自分自身もワクワクするので皆さんと共有いたします。

歴史家・村山節(1911年~2002年)は、『波動進化する世界文明』(博進堂、1992年)という著書の中で、世界の文明は800年ごとに東と西で入れ替わるといいます。西が繁栄しているときは東が停滞し、東が繁栄しているときは西が停滞するということです。歴史をさかのぼれるところまで調べた結果、次の図表のようになりました。史学研究者によって表記は異なるでしょうが、皆さんと私自身がわかりやすいように代表的な文明を表記しています。

このように東西が入れ替わり、現在は西から東に転換する時期ということです。すでに2000年頃から文明の転換は起こっており、これからは日本も含めた東の時代が800年間到来するわけです。

そして、東西両文明の性格は、西の文明は男性的・父性的・権力的・論理的で、東の文明は、女性的・母性的・包括的・感性的だといいます。西が左脳的、東が右脳的ともいいうるかもしれませんが、時代は女性性の時代ということです。

荒唐無稽な話に聞こえるでしょうか。今まで男性性が作り上げてきた世界が行き詰っているのは明らかです。私は多くの女性が男性性社会をひっくり返すような力を発揮することで、おそらくより良い社会を作る源泉となると思うのです。

そして、政府の女性活躍推進のような、数値目標を掲げて女性の管理職を増やすようなことに、組織としては対応せざるを得ないでしょうが、一個人としては乗る必要性はありません。「あれも、これも」とやっていると結局は疲弊してつぶれてしまいますので。

いずれにしても時代の転換点にあるようなので、時代に逆らうよりも、時代に乗る方がうまくいきます。時代がどちらに流れているのか、冷静に見定めるときではないかと思います。

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