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がん医療は人々の健康に貢献しているか

国立がん研究センターの統計資料をみると、日本人のがんによる死亡者数は増えています。がん治療は進歩しているといわれているのになぜでしょう。先進国でがんによる死亡者数が増加しているのは日本だけということも指摘されています。高齢化しているからという理由も聞かれますが、多くの先進国は高齢化しているので、それが本当の理由かわかりません。

安保徹『免疫力で理想の生き方・死に方が実現する』(さくら舎、2013年)を読むと、もしかしたら、いわゆる人間ドックが原因の一つかもしれないことに気づきます。安保氏によると、がんというのは、出たり消えたりしながら存在しているものです。そして、本当に過酷な生き方をした人が、本当のがんにたどり着きます。それまでは、無理をすれば出る、休めば免疫がはたらいて治る、というのを繰り返すわけです。

ところが、CT検査とかMRI検査など高度な検査が導入されるようになってから、通常であれば人間の免疫力で自然に消えてしまうがんまでも発見し、その結果、がん患者が増加し、皮肉にもがんの死亡率も増えているといことになります。「早期発見、早期治療」などといわれますが、治療が不要なケースにまで、治療が行われ、抗がん剤治療や放射線治療、手術ということで、ますます治療によって体は弱るということになります。結局、治療するから死に至るという非常に興味深い逆説なわけです。この説は、現在のがんに関するデータをみる限り一考の価値はあります。現代医療は結果を出せていないわけですから、一度疑ってみるわけです。

安保氏はいいます。もしその人ががん検診を受けないで、がんが見つからなかったら、半年後に死んでいると思いますか? 絶対に死んでいるわけがないのです、と。検査の結果をみて、激しい恐怖とおびえを抱き免疫機能を不全にし、抗がん剤による体への負担によって人々を死に至らしめるのです。今のがん医療というのは治療の意味をなしていないのです、という指摘です。日々がんの治療に従事する医療従事者にとっては受け入れがたい説でしょうが、一人ひとりが自分で調べて判断していきたい重要なテーマだと思われます。

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