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手軽にできる半日断食を試してみる

断食とは本来、少なくとも3日以上の断食を行うことをいいます。本断食などというようです。一方、かなり早くから朝食を抜くだけの断食、すなわち、半日断食を提唱していた医師がいました。甲田光雄博士です。甲田氏によると、本断食は体を非常に厳しい状況に置くし、日数もかかるため、医師のなどの指導者がいないと安全に行えないので、一般人が一人で行うには不向きといいます。一方で、朝食を抜くだけの半日断食であれば、断食の中でも一番簡単で、かつ安全で、日常生活を送りながら誰でもできるのでお勧めできるといいます。詳しくは、甲田光雄『奇跡が起こる半日断食』(マキノ出版、2001年)に詳細が説明されています。

なぜ、昼や夜ではなく、朝食を抜くのがよいのか。実は我々の体にとって朝食を抜き、午前中に何も食べないことはとても大切だといいます。なぜなら、一日の時間帯で、夜が睡眠の時間帯なら、朝は排泄の時間帯だからだそうです。通常は朝食をしっかりとるようにといわれますが、それが実は健康を損なう盲点になっているということです。老廃物を排泄することも栄養をとることも、どちらも重要ですが、老廃物を出し切るほうがより大切なようです。すなわち、前日の老廃物が残っているのに朝食を食べると、腸の中がきれいになりません。一方、朝食を食べずに空腹の状態になれば、腸を活発に働かすモチリンというホルモンが分泌され、老廃物の排泄が促されることがわかっています。よって、まずは午前中に空腹の状態を作り、老廃物を対外に排泄することが重要になるわけです。いわゆるデトックスです。

甲田氏の方式は、朝食を抜きますが、その代わり水分はしっかりとります。あるいは、胃腸にやさしい柿茶もよいといいます。どうしても、空腹感が強いときは青汁も推奨されています。とにかく、最初はつらいことがあれば、何か飲みやすい野菜ジュースでもよいようです。段階的に進めていき、最後は朝食抜きにもっていくとよいのでしょう。無理はしないことです。

そして、断食が体にもたらす変化の中でも特筆すべきことは、自己融解だそうです。今でいうオートファジー(自食作用)でしょうか。断食によって栄養分が断たれると、体のどこからか栄養分になるものを探し始めます。たとえば、断食の結果、血管内のアテロームをエネルギー源として利用するので、動脈硬化が治ります。血管内にアテロームがあると血管の中が狭くなり、血液の流れが悪くなるのですが、自己融解のおかげで、アテロームがきれいになくなってしまいます。また、腸の癒着がはがれる、イボなどの腫瘍が消失する、ガンが縮小するのも自己融解ということです。

このように、いいことが多い半日断食ですが、手軽に挑戦できるので、自分でその効果を体感しやすいといえます。試してみる価値はあるかもしれません。

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