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免疫細胞の最前線としての「腸」

小腸と大腸には、体の免疫細胞の70%が集まっているといいます。免疫細胞というのは、外部から体の中に入ってくる異物や毒素、病原体などをみつけて、あの手この手で排除してくれるので大切です。そんな免疫細胞が腸に集まっている理由はなぜでしょう。

腸は免疫細胞の最前線といわれるようですが、川本徹『結局、腸が9割』(アスコム、2022年)によると、口と腸が直接つながっているからではないかといいます。腸は食道や胃などを経由して、口と直接つながっている内臓です。ウイリスや細菌などの病原体や、アレルギー症状の抗原などは、やはり食べ物を通しての口からの進入が多いといいます。よって、腸に免疫細胞が多くいるのが最も効率がいいのではないかと。

人間の体には、病原体や異物が体内に入り込まないような防衛システムが何重にもあります。口の中の唾液も殺菌作用を持っていますし、胃は強力な胃酸を出して消化と分解だけではなく、病原体も殺菌しています。しかし、それでも死なずに防衛システムをすり抜けて、小腸や大腸に来てしまうものもいます。たとえば、サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌O-157などです。そういう異物に対して、腸の中の免疫細胞が異物認定をして、それらを対外へ排出するように働いてくれるわけです。

つまり、腸は免疫の最前線であり、体の防衛システムの最後の砦ということがいえるでしょう。よって、腸内環境をよくすることが、免疫機能を高めることになるわけです。私たちの健康に直結するテーマですので、もっと腸の仕組みを調べる価値はありそうです。

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