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洗脳されない環境問題④ – 水道水 編

「水道水はちょっと・・・」って言う人も多いのではないでしょうか。この日本の社会でも、ペットボトルのミネラルウォーターが、水道水より好んで飲まれているようです。昔のテレビドラマで、「水道水なんて飲めるかよ」、とか言うシーンがあったのを今でも覚えています。こう言うのも、水道水を飲まないことに影響してるのかなあとか思います。

YouTubeなどでも、「水道水は毒だ!」と言うのもあります。アウシュビッツ収容所で収容者の殺害に使われたのと同じ塩素ガスが水道するに含まれる、と言うのがあります。酷いですね。そんなことないのに。日本の水道は世界トップレベルです。世界トップレベルに安全で安心です。お金をかけて世界一綺麗な水にしています。本当はもっと水道水を飲んで欲しいのですが、ペットボトルの水が一般的に飲まれるので、せっかく作った水道水の一部が飲まれずに河川に放流されてます。そのまま河川に捨てるのは勿体無いので、ペットボトルに詰め直して売ろうとする自治体もありますが、如何せん、大手飲料メーカーのミネラルウォーターのブランド力が強いので、水道水のペットボトルは売れないのですね。やっぱりブランド名の影響力は大きいなあと思います。

水道水の方がペットボトルよりも検査項目も多いし、より安全・安心なのですが。世界一安全な日本の水道水でも、水道水にも懸念材料はあるのです。トリハロメタンの問題です。水道水は塩素消毒しているから、トリハロメタンが懸念されるのです。トリハロメタンとは、多分、発がん性物質だろうと言われていて、消毒で使われる塩素と水道水中に微量に存在する有機物とが反応して、生成する物質の総称です。トリハロメタンの中にでもたくさんの化合物が存在します。クロロホルムが代表ですが、それ一つだけではなくて数種の化合物を指します。健康に敏感な人で、環境問題にも詳しい人は、水道水にはトリハロメタンの問題があるために、ミネラルウォーターを選んでいる人もいます。でも、このトリハロメンタンで癌になるかもしれないと言う確率は、水道水を毎日2リットルを70年間飲み続けて、10万人に1人がなるかならないか(『水道水をおいしく飲む―身体にやさしい水を求めて』・平成6年1月・小島貞男・講談社)と言われています。それをどう考えるかですね。「ちょっとでもリスクがあったら、避けます!」と言う方もいるだろうし、あまり気にしない人もいるだろうし。リスクあるとわかっていながら、みなさん、薬を飲むだろうし、体に悪いですよとわかっていても、タバコをする方もいるし。人の考え方は色々ですね。でも、僕は日本の水道水は世界一安全で、これからもどんどん飲んで行こうと思っています。

水道水の塩素消毒で、昔あった話をしておきます。歴史は繰り返されるので、また、近々同じことが起こることだと思うからです。

昔、人を騙して浄水器を売り込もうとして、各家庭に訪問していた話がありました。ドアのピンポンを押して、その家の人が出てきたら、「水道局の方から来ました」というのです。これは、水道局の方角から来ました、と言うことで、別に水道局の人ではないと言うことです。でも、普通聞けば、水道局の人だと勘違いしますよね。で、「ちょっと水道の検査をしますので、中に入らせてください」と言って、水道の蛇口のところまでいくのです。それで、グラスカップありますか? と家の人に聞いて、その家のグラスカップを借りて蛇口をひねって水を組むのです。その家のグラスを借りると言うもの、人の懐疑心を緩める大きなポイントですよね。自分のカップですれば、なんか細工してるの? って疑われますから。

次に、その悪い人たちが持って来た薬を、そのグラスカップの中の汲んだ水に何滴か入れるのです。そうすると、色が変わるのです。それを、見せて、「奥さん、ほら色が変わりました、奥さんところの水、このままでは身体に悪いですよ」と言うのです。じゃあどうすればいいのですか、となるから、浄水器をつけるべきですと、言うのです。実際に浄水器をつけて見せて、その浄水器を通してグラスカップに汲んだ水に、さっきの薬を垂らしても、色が変わらずそのまま綺麗な無色透明の水がそこにあるのです。すると、家の人はついつい騙されてこの浄水器を買ってしまうのです。

この浄水器もその頃で、30万円ぐらいしてたので、結構な額です。そう言って浄水器を買わせることが流行った時期がありました。その頃はインターネットもないし、すぐに調べられず、情報弱者でしたからね。今ならすぐにでも調べることができて、こう言う被害も未然に防げる可能性も高いのですが。このグラスカップの色が変わるカラクリは、先ほどお話しした塩素消毒と関係があるのです。この悪い人がグラスカップに汲み取った水に入れた薬品は、水の中にある塩素と反応して発色するのです。それをうまいこと利用して、人を騙すのです。

このように水道水には、蛇口から出した時は塩素が必ず含まれています。一般的にカルキというやつですね。まあ、そのカルキを使うから、先ほど述べたような、トリハロメタンの様な危険と思われる物質もできるのですが、カルキを使うには訳があるのです。そして、蛇口から汲み取ったばかりの水にカルキが入っているのも訳があるのです。私たちが飲む水道水は、ダムや川や、湖の水源から水を取って来て、それを飲めるレベルまで綺麗にして、最後に殺菌処理してみんなの家に繋がっている配水管に流すのですが、ここの殺菌処理にカルキと呼ばれている塩素の薬品を使うのです。一般に、次亜塩素酸ナトリウムと言われています。水道水をみんなの家庭に配送する時、一番怖いのが、殺菌したはずのばい菌が活性化することなのです。再活性化と言います。配送管に送る前に殺菌しますが、ばい菌はゼロにはなっていません。基準値以下であればいいのですが、それはゼロ、所謂全滅したことではありません。ゼロにする必要もないし、ゼロにしようとするとコスト的には高くなりますので、ゼロは全然目指す必要がないのです。浄水場で作られた飲み水は、時には何十kmも旅をしてそれぞれの家の蛇口に運ばれます。そこで一番心配なのが、一度抑え込んだばい菌が、水道の配管の中で再び、活性化することです。これが一番怖い。

だから、殺菌作用が残存する雑菌剤でなければならないのです。カルキの他に、オゾンや紫外線なども殺菌作用はありますが、殺菌したその場限りの作用で、殺菌作用の残存性がないのですね。だから、カルキと呼ばれる塩素消毒を行っているのです。配水管の末端で塩素濃度を幾ら(0・1mg/L)に保持しなければならないと決まっているのです。だから、悪い人が家に押しかけてグラスカップに汲み取った水道水には、カルキが存在して当然なのです。それに薬品を落とせば色がつくのは当たり前なのです。 「この水は危険です!」と言われたら、「何を言ってますか? むしろ安心ですよ!」って言い返さなければなりません。でも、そんなこと知らなかったら、自分の家の水に色がつけば、やばいのかな、と思いますよね。特に小さな子供がいる家庭は、今後この水を飲み続けることによる子供への影響を考えて、ついつい浄水器を買ってしまいますよね。そんな訪問販売が昔あったのです。浄水器を買ってつけることは、全然いいことです。先ほど言ったトリハロメタンも幾らか除去もしてくれるでしょうし。問題は、正しい情報を伝えることなしに、ただ単に人の恐怖心を煽って、全く適正価格ではない高額で売りつけることなのです。くれぐれも注意して下さい。

洗脳されない環境問題(立田真文 著・アメージング出版)より ※一部割愛

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