日本語や文語が大切だという話題も、少し軽い内容から入ってみたいと思います。徳永文一『国際人には文語が似合う』(長風舎、2015年)には、思わず苦笑いしてしまう事例が出ています。 銀行に電話をしたとき、「○○さんいらっしゃいますか」と尋ねると、「○○部長さんはお席にいらっしゃいません」との返答。さらに別の電話では、「○○...
社会の記事一覧
前回、文語を学ぼうとして何度も挫折したことを書きました。文語文を書ける人たちは、70代後半、あるいは80代の方々です。その方々がこの世からいなくなれば、おそらく文語は消滅すると思います。 私が法学部の学生になったのは1987年ですが、当時の民法や商法の条文は、歴史的仮名遣いでした。いわゆる文語体です。民法や商法が制定さ...
検問中の警察が、17歳の少年を射殺してしまった事件を契機に、フランスでは暴動が発生しました。グローバリゼーションの流れで多くの移民を受け入れてきたフランスでは、社会が分断され、伝統と文化が徹底的に破壊されてしまっているのです。もう庶民も疲れ果てています。 翻ってわが国日本をみると、多少様相は異なるものの、確実に日本の伝...
英語ができるとビジネスがうまくいくとか、英語が公用語の国は発展すると思っている人もいるかもしれません。シンガポールやインドをみると、それも正しいのかと思いたくなりますが、どちらの国も多言語国家のため、英語という共通言語が必要なだけです。結局、多くの人が必要に迫られて英語を学んでいるということになります。 翻って日本を考...
日本においては、会社務めをしている限り定年退職という状況に多くの人が直面します。意外に知られていませんが、定年退職制度というのは、アメリカやカナダ、オーストラリアなどの英米法系の国には存在しません。なぜなら年齢差別にあたるからです。 そして、日本におけるこの定年退職というのを甘くみている人は多いようです。そのような人々...
「手当(てあて)」を「てとう」と読む政治家が現れましたが、これは日本の国語教育の再考を促す出来事だと思います。人は、母語の運用能力が高まらない限り、思考能力に限界が生じます。母語と思考は密接に関連しているということです。 藤原正彦氏は、『祖国とは国語』(新潮社、2005年)において、「一に国語、二に国語、三、四がなくて...
人気記事
-
食・健康「お薬でコレステロール値を下げましょう」言われた時に知るべきことコレステロール健康食
-
食・健康認知症には「ハーブ」のご提案pickupハーブ健康認知症
-
食・健康最適な睡眠時間って何時間? 体への影響は?健康睡眠睡眠時間
-
社会なぜ日本はダントツで学ばない国なのか?教育社会
-
環境各国の再生可能エネルギーの発電比率世界の再生可能エネルギー再生可能エネルギー環境環境問題
-
食・健康一日三食は正しいのか?pickup健康食生活
-
社会北欧デンマークから学ぶHYGGE(ヒュッゲ)、シンプルな幸せって?幸せ幸福社会
-
環境いまさら聞けない? 地球温暖化の仕組み地球温暖化環境
新着記事
-
社会明治の職人と令和のフリーランスは似ている2024.04.13
-
食・健康砂糖と油を摂らなければ虫歯にならない2024.03.24
-
CEETREE『なぜコロナ禍でもマスク自由を推奨したのか』 出版記念講演会(4月20日・オンライン)2024.03.17
-
食冷凍食品は体に有害なのか?(一般社団法人 日本冷凍食品協会の見解)2024.02.23
-
食・健康歯の健康は歯磨きよりも食べ物2024.02.12
-
食・健康虫歯の原因は糖質なのか2024.01.28
-
社会生産性を上げる働き方(5)- 小さく絞り込みフィールドを作る2023.12.28
-
社会生産性を上げる働き方(4)- 「他力本願」でイノベーションを起こす2023.12.16