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繊細さん「こそ」幸せになれる、「幸せリスト」

あなたは繊細さんですか?

 「繊細さん」って、ご存じでしょうか? その言葉のままの通り、繊細な方々のことを言います。具体的に言いますと、「人といると疲れる……」「周囲に機嫌が悪い人がいると緊張する……」「気が付きすぎて仕事に時間がかかってしまう……」そんな人たちのことを指します。ちなみに筆者も「繊細さん」にぴったり当てはまります。

私たち繊細さんは、最近耳にすることが増えた「HSP(Highly Sensitive Person)」とも言えますね。HSPは、1996年にアメリカの心理学者であるエイレン・N・アーロン博士が提唱した比較的新しい言葉です。

これは決して病気や悪いことではなく、「生まれ持った気質」なのです。「個性」の一つであることを覚えておくことが大切です。特に日本人には多く見られ、5人に一人はいると言われています。結構多く感じませんか?

どのくらいの割合かというと、「背が高い人」ぐらいの割合でいるそうですよ。そう考えるとあまり稀な存在ではないことが分かりますね。HSPはネガティブな要素として見られがちだったり、HSPの私たちにとってもしんどい場面が目立ってしまうときがありませんか?けれど、繊細さん、非繊細さんのどちらもいいところはたくさんあるのです。大切なのは、物事の捉え方だと感じます。HSPの私たちには、特に素敵な才能があるのです。

「深く幸せを味わう才能がある」

繊細さんはたくさんのことに気が付くことができます。小さくて些細な出来事に、素晴らしさを感じることができます。そんな私たち繊細さんの「幸せリスト」を、改めて考えてみたいということで、今回の参考文献である「今日も明日も『いいこと』がみつかる『繊細さん』の幸せリスト」を紹介させていただきたいと思います。HSPの診断は本やサイトにもたくさんございますので、良ければ診断してみてくださいね。繊細さんも、非繊細さんも、お互いに気づきがあればいいなと思っています。

いいものを「味わう」

まずはインプットすることとして「いいものを味わうことを自分で許可する」ということがあります。それってどういう意味?となるかもしれません。

具体的に言うと、「成果主義から一歩外に出ること」だと著者は言います。成果主義というのは生産的・効率的で有意義な物事です。そこから抜け出すということですから、「これって非生産的なのかな、これって無駄なことかな」という考えから解放されることが大切です。幸せを感じる瞬間があっても、つい「これって無意味じゃないか」と考えてしまいがちです。特に繊細さんは考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この考えに陥る前に、幸せだと感じる時間を取ることを素直に「許可」することが重要です。幸せと成果は「別物」であることを意識しましょう。幸せというものは、客観的に見るものではなく、主観的なものです。あなたが幸せだと感じたことは、本当に幸せなのです。「おいしいお味噌汁を飲んで幸せを感じた」、これでいいとそのまま自分自身を受容してみましょう。それは自分を整えることにもつながるのだそうです。

そして、繊細さんにある強みとして「感覚」があります。視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚と、それぞれ一人ひとり程度は違いますが、繊細さんはその感覚を読み取る力が優れています。

その直感はあるのだという前提に立つことが大切です。まずは直感を認めることから始めてみましょう。だんだんとさらに自分の強みとして磨かれていき、直感を言語化できるようになるそうですよ。五感による敏感性はHSPにとって悩みとして挙げられがちですが、長所として生活することができるはずです。自分が好きだと直感で思った人に対しての理由や、自分に合わないと直感で思った環境の理由についても言語化することができたら、自己理解と人生の豊かさにもつながっていくと思いませんか?

このように、インプットすること、そしてインプットの精度を上げていくことはとっても大切なことなのです。

「自分のために」表現する

インプットができたなら、次はアウトプットをしていきましょう。では具体的にはどうすればよいのか。

まず繊細さんは「自分のために」何かをすることが苦手です。周りの様々なことに気が付くという長所から、自分のことを後回しにしてしまいがちなのです。著者は、繊細さんの感覚すべてが表現につながるため、上手じゃなくてもいいから何かを表現することを始めてくださいと述べています。

アウトプットができるようになれば、相手の求めていることに対して応えることができる「呼応」と、自分の興味があることを知り、深堀することができる「深堀り」が可能になっていくのです。この二つはどちらも必要です。呼応だけだと役割だけの人になってしまいますし、深掘りだけだと誰からの興味も得ることはできません。これらを実践していくことで、「自分のために」表現することができるようになっていきます。

「ほどほどに」共感する

最後にご紹介するのは「ほどほどに」共感する、という内容です。

繊細さんのもう一つの長所として、相手の気持ちを汲み取ることが得意で、共感能力が高いことがあります。誰かと「分かり合う」ことが上手なのです。しかし、長所と短所は表裏一体です。一緒に分かり合いたいという気持ちから相手の感情に振り回されてしまう、いわゆる「自分の感情もコントロールし、そして相手のコントロール下にも置かれやすい」のです。

ここで著者は「聞き上手じゃなくていい」と述べています。相手と自分の境界線をしっかりと引くことが大切なのです。共感能力がありすぎるためにメンタルにも支障をきたしてしまいます。ここで大事にしたいマインドは「あなたはそうなんだね」です。分かり合うことを思い切って手放してみませんか?

最後に

ここまで繊細さんが幸せになるための幸せリストをいくつか絞って紹介させていただきました。筆者もHSPであるため、本を読みながら共感しましたし、勇気をもらえました。繊細さんも、非繊細さんも、相互理解につながる内容でもありますので、ぜひ手に取ってみてください。私たちの長所や得意をしっかりと言語化し、伸ばしていくための、そして対処していくための方法が細かく記載されています。幸せリストを、心のバイブルにしてみませんか?きっと「人生の同期」に出会えるきっかけになるかもしれません。

(参考文献)

今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト(著)武田友紀(ダイヤモンド社)

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