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歯の健康は歯磨きよりも食べ物

コーヒーや紅茶に砂糖を入れなくなってから3ヵ月が過ぎました。砂糖は麻薬と一緒で中毒性があるということを長尾周格『歯医者が虫歯を作っている』(三五館、2014年)で読んだためです。たしかに歯も体調も調子が良いです。砂糖については強烈な快楽を感じるため依存症に陥るそうです。そう考えると砂糖は恐ろしい物質にも見えてきますね。

そもそも人間は、糖質が不足していると体内で糖を作り出す糖新生という機能を持っています。ですから砂糖は人間の体にとって本質的に必ず摂取する必要のあるものではありません。実際に先住民族の人たちは砂糖をまったく摂りませんがみな健康な肉体を維持しています。長尾氏によると砂糖は毒物であり、「百害あって一利なし」ということです。

予防歯学の父であるW・A・プライス博士は、世界の14か国に住む先住民族の口腔内を調査しました。彼の調査記録は1939年に”Nutrition and Physical Degeneration”というタイトルで出版されています。『食生活と体の退化』という訳で日本語版も出ているようです。

プライス博士が発見した特筆すべき事実は、白人が持ち込んだ近代食を先住民が摂るようになると虫歯や歯周病が増えたということ。そして、元の伝統食に戻すと、その進行が止まるというものです。

太平洋諸島に貿易船が頻繁に到着し砂糖が大量に輸入されると虫歯が増え、貿易船が来なくなると虫歯の進行が止まるということで、虫歯と砂糖の摂取量に相関関係があるということです。このような研究結果を知ると、砂糖に対する見方も変わってきます。歯磨きするかしないかより、何を食べるかということが歯の健康に影響するということのようです。

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