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一日二食で16時間の空腹をつくる効果

最近、断食を推奨する書籍が増えていますね。以前から健康に良いことは知られていたものの、これだけ多くの書籍が出版されることがありませんでした。時代が変わり大切な情報が徐々に開示されるようになってきたのかもしれません。これはとても良いことだと思います。

そのような書籍の一冊に三浦直樹『“空腹”が健康をつくる』(ナツメ社、2020年)があります。医師の三浦氏は、ご自身の臨床経験から、わかりやすくいくつか提言をされています。

まず、一日二食で空腹時間を作ることで、カロリー減となるだけではなく、胃腸のオーバーワークが改善されることで、腸の吸収機能が正常に働き、必要なものだけを吸収し不要なものをしっかり排泄できるようになるといいます。そしてこの空腹の時間は16時間として提言されます。

それは食事をしてから食べたものがそれぞれの器官を通過するのに必要な時間が、食道で約30秒から60秒、胃で2時間から4時間、十二指腸から小腸で3時間から5時間、大腸で10時間から数日といわれ、トータルでおよそ16時間の空腹を確保すると胃から腸までが空っぽになると考えられているためです。そして、16時間の空腹のおかげで腸内環境が改善されて、腸内フローラのバランスが適切に保たれるようになります。

さらに、日本の生理学者である、千島喜久男博士が発表した千島学説によると、小腸の絨毛細胞で血球がつくられるとされ、食べたものが小腸で吸収され、血となり全身に送られ、細胞に分化して骨や筋肉になると考えられています。よって、断食によって腸内環境を整えると、血液もきれいになり、そのきれいな血液が全身をめぐるという好循環をもたらすということです。

また、断食をはじめるなら春がよいそうです。東洋医学の陰陽五行説では、春はデトックスの季節としています。生命活動の弱まる冬の間にため込んだ老廃物を春に排泄するということです。何となく、私たちも経験的の春に老廃物を排泄しているということは知っているのかもしれません。そして、人それぞれライフスタイルはあるものの、一般的に朝食抜きで16時間の空腹というシンプルなルールがいいのではないかということになります。なぜなら、一日の中で午前は排泄の時間だからです。午前の空腹によってモチリンというホルモンが小腸で分泌されて腸の蠕動運動が促されて、排便に導いてくれるそうです。

三浦医師はおよそ以上のような16時間の空腹を提言していますが、その他の多くの専門家がいろいろな手法を示唆しています。複数の見解を取り入れながら自分に合った方法を探していくのが良いと思います。今回はわかりやすい内容だったので、三浦医師の見解を紹介いたしました。また、別の機会に異なる専門家の説も調べてみたいと思います。

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