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なぜ激安のステーキランチは存在するのか

ランチを食べようとレストランを探していると、「ランチステーキ定食680円!」という表示が目に入ります。内容は150グラムのサーロインステーキ、付け合わせのフライドポテト、ブロッコリー、ワカメの味噌汁、きゅうりの浅漬けだそうです。

スーパーでサーロインステーキ肉を買うと、輸入品でも100グラム600円、国産品で100グラム800円くらいはします。なぜ150グラムのサーロインステーキを680円で提供できるのでしょう。その秘密は、ステーキ肉にあると、河岸宏和氏は『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます』(東洋経済新報社、2014年)で述べます。

実は「成型肉」

実は、このステーキと思って食べている肉は、成型肉だそうです。成型肉というのは、骨のまわりから削り取った端肉や内臓肉を結着してつくったものになります。成型肉は、法律違反でもなく、スーパーでも普通にサイコロステーキとして販売されています。ただしその場合、「成型肉」として表示があります。しかし、外食店ではこのような表示を怠っているところもあるようです。その場合、景品表示法違反になりますが、表示すると売れないからということで表示されないこともあるということです。

成型肉の形状は、ミンチ状であったり、ドロドロであったりするので、それを結着剤(リン酸塩)を使って結合します。リン酸塩は保水性を高めるので、肉がジューシーになり、カサも増すそうです。また、植物性タンパク質や乳タンパク、卵タンパクなどを注入して、肉を柔らかくします。さらに味を良くするために、ビーフエキスや調味料(アミノ酸等)を使います。しかも、外食店ではスーパーと違い食品添加物の表示は法律で強制されていません。

このような実態を知ると、自分が外食するときのお店選びやメニュー選びに、少なからず影響は与えると思います。細かいことを気にすると、何も食べられなくなりましが、知っていて選択するのと、まったく知らないで選択するのでは、消費者の意識として大きな違いがあることでしょう。科学技術の力で便利になった裏の面も理解し、今日の外食から考えて選択してみてもいいかもしれません。

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