今回で最終回になります。このような発想や方法もあるかな、という程度で参考にしてみてください。労働生産性を上げる方法は人それぞれというのが前提にあるからです。 労働時間削減については時間管理で有名なテイラーの科学的管理法などがあり参考になります。しかし、各労働者が取り組めることで労働生産性を高める方法は、意外にも私たちの...
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- 山越誠司
SEIJI YAMAKOSHI
1968年札幌市に生まれる。1991年東洋大学法学部卒業、1993年同大学院法学研究科博士前期課程修了。その後、損害保険会社や外資系保険仲介、外資系損害保険会社、金融サービス会社などに勤務。転職は5回。そのうち1回はもと在籍していた会社に再入社。2020年日本保険学会賞(著書の部)受賞。2023年神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了、博士(法学)。著書に『先端的D&O保険の実効性と限界』(保険毎日新聞社、2023年)、『先端的賠償責任保険』(保険毎日新聞社、2022年)、『学び直しで「リモート博士」』(アメージング出版、2023年)など。
SEIJI YAMAKOSHIの記事一覧
アリ社会は、自らの組織を長期的に存続させるために、非常に多様な人材(アリ)で構成された集団を形成していることがわかっています。また、アリ社会では、よく働くアリは3割程度で、残りの7割は働いていないというのは有名な話ですね。 長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(中経の文庫、2016年)によると、この働かないで何もして...
昭和の労働観における公私混同は、夜の接待や休日のゴルフも含めて、土日も休みなく働くということでした。1980年代後半に「24時間戦えますか」という栄養ドリンクの広告がありましたが、まさしく四六時中働くのが昭和の時代だったかもしれません。 しかし時代は変わりました。今ここでいっている「公私混同」はまったく別です。ある経営...
一般的にオフィスワーカーは、都心のビルで働いています。そして、最先端のビルでは、快適と感じられる室温や湿度が一定に保たれているので、さぞかし労働者の生産性も高いと考えられています。しかし、人間は機械ではないので、どうも労働生産性を上げるには、環境に変化が必要なようです。前回紹介した、梶本修身『すべての疲労は脳から』(集...
普通は仕事でも勉強でも、「今日できることは今日やる」ということでしょう。しかし、「今日できる」と思う仕事が目の前にあり、締切期限が先にあるのであれば、明日に回してしまう方がよい場合があります。多くの方がそうだと思いますが、午前より午後の方が脳も体も疲れてきます。そこで無理をして難しい仕事をしてしまうと、ミスが生じ、軌道...
単一の価値観を信奉し、他者の価値観を排斥するようなことを原理主義といいますが、最近の環境原理主義という考えにも警戒しなければならないと思われます。特に批判しにくい正論に聞こえるので、その点、宗教的あるいは経済的な原理主義よりも、自らを律してバランスを維持しないといけないようです。有馬純『亡国の環境原理主義』(エネルギー...
日本語や文語が大切だという話題も、少し軽い内容から入ってみたいと思います。徳永文一『国際人には文語が似合う』(長風舎、2015年)には、思わず苦笑いしてしまう事例が出ています。 銀行に電話をしたとき、「○○さんいらっしゃいますか」と尋ねると、「○○部長さんはお席にいらっしゃいません」との返答。さらに別の電話では、「○○...
前回、文語を学ぼうとして何度も挫折したことを書きました。文語文を書ける人たちは、70代後半、あるいは80代の方々です。その方々がこの世からいなくなれば、おそらく文語は消滅すると思います。 私が法学部の学生になったのは1987年ですが、当時の民法や商法の条文は、歴史的仮名遣いでした。いわゆる文語体です。民法や商法が制定さ...
検問中の警察が、17歳の少年を射殺してしまった事件を契機に、フランスでは暴動が発生しました。グローバリゼーションの流れで多くの移民を受け入れてきたフランスでは、社会が分断され、伝統と文化が徹底的に破壊されてしまっているのです。もう庶民も疲れ果てています。 翻ってわが国日本をみると、多少様相は異なるものの、確実に日本の伝...
英語ができるとビジネスがうまくいくとか、英語が公用語の国は発展すると思っている人もいるかもしれません。シンガポールやインドをみると、それも正しいのかと思いたくなりますが、どちらの国も多言語国家のため、英語という共通言語が必要なだけです。結局、多くの人が必要に迫られて英語を学んでいるということになります。 翻って日本を考...