「ハーブとの出会い」
私がハーブと出会ったのは、2019年の冬でした。私自身うつ病を患ないながら、母の状態が気になっていた頃でした。母は同じうつ病なんじゃないかとか、認知症なんじゃないかとか、ネットで検索しては悩みの日々を送っていました。そんな時、ふらりと立ち寄ったカフェがハーブ専門店でした。私がハーブのお勉強をするようになったきっかけです。(現在資格をとるため勉強中)
私の母は結局認知症ではなく、パーキンソン病でしたが、初期症状はとてもよく似ていました。私もハーブと出会って、うまく病気と付き合う事が出来ています。愛しているよと何度言ってもいいし、何度抱きしめても、人間って壊れないんですよね。それと同じで、何よりハーブは自然と私の生活に優しく溶け込んでいます。
「宝石箱のふたを開けた瞬間」
さて、注文したハーブティーのポットの蓋をあけた瞬間、眼鏡が曇り香りが鼻へと流れ込んできました。店主のいう通り、私は蓋についている水滴を出来るだけ残らずポットの中へ落としました。口に含んだ時、酸味と野花のような香りが口から香りました。
ハーブティーを飲む時、ポットの方は蓋についた蒸気の粒を出来るだけ残さずポットへ落としましょう。その水蒸気の粒に、最も多くの香りのオイル(精油)が入っています。ポットがなく、ティーパックをカップにそのまま漬け込んで飲まれる方は、小皿で蓋をするといいですよ。小皿の蓋についた精油を取り逃さずに。そうすることで香りがぐっと上がります。
「香りは気持ち」
それから私は店主と話し込んでしまい、帰りは夕方に。昨今、香りが脳に効くというのは常識になってしまいましたが、その香りの薬効で色々と刺激するものが違う事が分かっています。つまり、その時の気分が大事だというお話です。その後色々と書籍やネットを調べたところ、間違いなく、気持ちが一番大事だと知りました。
香りは鼻の奥を伝って脳へ行くことが分かっています。その時の気持ちが心地いい香りを、脳は心地いい香りの効薬を受け取ります。そして脳は記憶や情動に影響を与えます。
又、こうした香りの働きは、自律神経にも働きかけます。
仕事から帰ったばかりや、何らかのかたちで緊張や興奮がおさまらない夜は、カモミールやラベンダーの香りをほのかに枕元に忍ばせておくのもいいでしょう。逆にシャキッとしなければならない時はローズマリーやペパーミントがお勧めです。
「認知症の方」
脳には記憶をつかさどる場所がありますが、香りがそこを刺激します。料理をしながらハーブを使うことは、ただ単に香りをかぐよりぐっとリアリティがあります。私がハーブ料理をする時、大切にするのは自分の体です。もっというなら手。カフェの店主は教えてくれました。お母さんの料理が美味しいのは、手なんだよ、と。
ハーブは繊細に人間の体温や汗を感じます。使う人の手によって、同じ量のハーブでも違った香りを放ちます。体調の悪いと良い時を比べてみてください。私の場合は薬を飲んでいるので、体調が悪い日は湿った香りがします。体調が良い時はハーブの香りが柔らかく澄んでいます。人間の体というものは本当に不思議に思います。人の優しさや温もりや愛が、ハーブや料理に与える影響を考えると、本当に影響するのではないかと思います。
自分の行動と、使うハーブと食材の複雑な香り。料理をすることが難しければ、ほんの少し気持ちに素直になってそれに合うハーブティーを飲んでみて下さい。気分がよくなれば、それでよし。その後はハーブを植えたお庭にちょっとだけ足をのばしてみてはどうでしょう。今日は少しだけ湿った香りがしたわ、と落ち込まないで下さい。脳は喜んでほしいのですから。だから気持ちが一番大事です。
ハーブ料理というとゴージャスなイメージを持つ方もいますが、実は時短・簡単なんです。
簡単なサラダ料理を一つ記載しておきます。是非やってみて下さい。
簡単なサラダ料理のレシピ
※好きな野菜(サラダにします)を数種類買ってきます。茹でた豆類やミニトマトをカットするとお勧めです。タッパーに好きな野菜を入れます。
ゼラチンとハーブティーを鍋に入れて火にかけます。ゼラチンがよく溶けたら、鍋まま粗熱をとります。粗熱がとれたら、野菜の入ったタッパーにいれて冷蔵庫へ。固まったらハーブゼリーサラダの出来上がりです。切り分けてお皿にもりつけましょう。食べる時は上から塩コショウとオリーブオイルをかけて。
※乾燥ハーブは手で揉みこんだら香りを発しやすくなります。料理だけでなく、ちょっと気分を良くしたい時は台所やお庭に出てハーブを一つまみとり、手のひらをすり鉢がわりにしもう片方の手の指ですりこ木がわりにして擦ってみましょう。良い香りがします。
「精油は濃度にきをつけて」
認知症の方は匂いがしずらくなってくる方もいます。そんな時でも、必ず容量を守って下さい。精油(エッセンシャルオイル)はハーブその物を料理したりするのとは違って、香りを濃縮しています。ディフーザー等で香りと効薬を楽しむ方は、必ず用法容量を守りましょう。気分が悪くなったりした方は、必ず使用をすぐにやめておきましょう。
又、あかちゃんや妊婦さんは使用する前に、使わない方がよいものや、適量はどのくらいかを調べておきましょう。精油は香りを濃縮しています。ということは効薬も濃縮されています。直接飲む人はいないでしょうが、飲んだり直接肌につけたりするのはやめましょう。
沐浴も私はお勧めしていません。
私のお勧めは、ハーブオイルをほんの一滴垂だけ丸いコットンに垂らします。そのあとすこしお水を注いで玄関の上から吊るします。玄関を開けた時だけ、風が柔らかな気づくか気づかない程度の香りを運んできます。
※あかちゃん、妊婦さんが使用しない方がよいハーブオイルを記載しておきます。
「オレガノ・セージ・クラリセージ・ペパーミント・レモングラス・ローズマリー等」です。
参考文献:日本統合医学協会、公式テキスト2 ハーブ大全