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携帯電話の利便性の裏にある危険性も気にしてみる

「携帯電話は発がん性物質です」といわれるとギョッとしますね。実際そうなのでしょうか。少し昔のニュース記事を確認してみましょう。イギリスのBBCによると、2011年の時点でWHOは、携帯電話の使用により脳腫瘍を引き起こすかもしれないということを報告しています(BBC, Mobiles ‘may cause brain cancer’, 31 May 2011)。そして、携帯電話から発生する電磁波は、WHOの国際がん研究機関(以下「IARC」)によって、人に対する発がん性が疑われるとして分類されています。

しかし、多額の広告費を通信業界からもらっているためか、大手メディアは記事やニュースとして取り上げてきませんでした。よって、私たちもあまりそのような懸念に対して配慮してこなかったと思います。

さらに、通信業界側からの情報発信も、そうはいっても、コーヒーや漬物も同じように発がん性があると疑われているので、その程度のリスクだと指摘し、危険性を軽んじる動きもありました。たしかに、IARCの分類によると、携帯電話は、「グループ2B」に含まれますので、コーヒーや漬物と同じリスクと整理できます。

このような状況ですから、多くの人は携帯電話に対する危険性というのは認識していませんし、ほとんど気にすることなく日常で使用しています。しかし、携帯電話は新しい技術です。しかも現在進行形で技術も急速に進化しています。未来予測が難しいという意味で、これを昔からある伝統的なコーヒーや漬物と同じ分類として、同じリスクであると言い切れるものでしょうか。

携帯電話の世界も、今は第5世代移動通信システム、すなわち「5G」といわれ、より電磁波の人体への影響を懸念しなければならない時期にきています。リスクを扱う再保険業界のレポートSwiss Re SONAR, New emerging risk insights (May 2019)でも、より高いレベルの電磁波を受け入れることを含めて、より多くのアンテナが必要になり、法域によっては、電磁界による健康への悪影響に関する懸念は、ますます高まる可能性があるとしています。そして、通信業界における損害賠償請求の増加は、長期的に起こり得るとして、かなり保険引受の観点でも警戒をしています。

このような記事を書いたのには個人的理由もあります。最近、長年使用していたガラケーから、5G が使用できる携帯電話に買い換えました。しかし、そのタイミングから妙なめまいを感じるようになりました。そこで、もしかしたら因果関係があるかもしれないと思い、5Gが使用できない設定にしてみたところ、めまいが緩和されたのです。

まだ、3日程度しか経過していないので気のせいかもしれません。しかし、めまいが改善されたら、また、5Gの設定をオンにしてみようと思います。それで、めまいが再発したら、因果関係を疑ってもよいと思いました。

気にしだしたら、何もできなくなり、生活が不自由になるのも事実です。今まで気がつきませんでしたが、自宅の近くに5Gのアンテナがあることもわかりましました。ネガティブなことを考える、さらにネガティブな事柄に気がつくので、そもそも健康や精神衛生にもよくありません。しかし、未知の技術に対して警戒感を持つことは健全ではないかと思い、このテーマを記事にいたしました。みなさんの経験や勘も使いながら、今流行りの5Gとの付き合いかたも再考されてはいかがでしょう。

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