「コレステロール値が高い」という理由で、薬を飲んでいませんか?
健康診断でコレステロール値が高いと、医師に必ず薬をすすめられます。そして、医師のすすめ通りに薬を飲んだら病気にならないと思う人がいたら、それは「NO」かもしれません。
そもそもコレステロールが体に悪いという説は、今から70年前にアメリカで行われた疫学研究に基づいています。しかも、その研究を丁寧に分析すると、必ずしもコレステロールが低い方が良いという結論にならないにもかかわらず、そのような解釈がなされました。
そして、コレステロールの基準値が定められ、その数値を超えた人には、食事療法や薬がすすめられ、今に至っています。しかし、人間の体はそれぞれ体質の差がありますし、年齢的なものも考慮しなくてはいけません。一つの基準値で括るのはナンセンスなのです。
コレステロールや血圧の数値はある程度年齢を重ねると高くのなるは当然です。そうやって体は自然に調整しているわけです。それなのにコレステロール値が高いと心筋梗塞になりやすいという研究結果が導き出されています。
総コレステロール値は高いほうが、かえって動脈硬化が進みにくい
一方、最近では海外を中心に、研究者によって、コレステロール値だけではなく、血圧や血糖値に関しても、今の基準値で本当にいいのか見直すべきことが提案され、薬を飲んでも死亡率が変わらないなどの研究結果が発表されるようになってきました。
特にコレステロール値を下げるための薬は、副作用もあるので、安易に処方するのは問題があるのですが、それでも製薬会社と医師との連携は、今も変わらず続いています。
さらに、奥山治美『コレステロールは高いほうが心臓病、脳卒中、がんになりにくい』(主婦の友社、2012年)によると、世界の研究結果のデータ分析をすると、総コレステロール値は高いほうが、かえって動脈硬化が進みにくいということが主張されています。
私たちは、現代医学の常識というものを信じすぎていると、単に医師と製薬会社を豊かにするだけで、自分の健康も維持できなくなります。もし、医学の常識というものに遭遇したときは、いったん疑って自分で調べる習慣をつけたいものです。
コレステロール値に関する誤解については、別の機会に詳しく説明したいと思います。
参考書籍