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マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の問題

日本の平均寿命は長いことがよいのか再考が必要だと思います。理由は、平均寿命との健康寿命の差が長いことが問題だからです。厚生労働省のデータによると、2016年の平均寿命と健康寿命の差が、男性で8.84年、女性で12.35年になります。そんなに病気で不健康な期間を過ごすのは誰も望んでいないはずです。

どうして、日本ではこのようなことが生じるのか。医療が発達して本来は死んでしまうはずの人が、生かされているからともいえます。この点、「医療が発達」したとはいえないかもしれません。日本は「寝たきり長寿」、「病気長寿」の国といっても過言ではないでしょう。

このような現状を踏まえて、山田豊文『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』(河出書房新社、2007年)は、非常に興味深い指摘をします。まず、私たちの体は100%食べたものからできているといいます。たしかにその通りなのでしょう。そして、食事が伝統的な和食から高脂肪・高たんぱくの欧米型に激変したことが現代病の原因として挙げられ、中でも危険な油が毎日の食卓に上がるようになったことが問題だとします。

身近なところでは、マーガリンです。いまだに学校給食でもマーガリンが出るところもあるようですが、本来人間が食べるべきものではないのかもしれません。極端なことをいう人は、マーガリンを顕微鏡で覗いてみると、プラスチックの構造にそっくりといいます。その理由は、マーガリンを製造する過程で、トランス脂肪酸が大量で作られてしまい、それが、自然界には存在しない構造のために、プラスチックといわれたようです。これはプラスティックという英語の誤訳で、本来は塑性という意味の”plasticity”のことのようですが、この辺の議論は賛否両論あるようですので、各自が調べられる範囲で検証いただきたいと思います。

そして、山田氏は、マーガリンだけではなく、ショートニング、加工油脂、ファットスプレッドなどはトランス脂肪酸が大量に含まれている可能性があるので避けるべきであるといいます。しかし、お菓子屋、パンなど、表示をみるとこれらが記載されていることも多く、そのまま実践してしまうと、食べるものがなくなってしまうという問題もあります。それくらい、私たちは危険な油に囲まれて生きているのかもしれません。普段かならず口にしている油について、私たちはもう少し意識した方がよいのかもしれません。「私たちの体は100%食べたものからできている」をもう一度肝に銘じて。

また別の機会に油に関する議論はご紹介したいと思いますが、今回はマーガリンを例に挙げてトランス脂肪酸について問題提起してみました。

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