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食品添加物の表示はどうなっている

私たちが日々食べている食品には、多くの食品添加物が含まれています。日本は海外の主要国に比べて、認可されている食品添加物が多いという見解もみかけます。しかし、食品添加物の定義が国によって異なっていたり、食文化によって使用する食品添加物も異なっていたりするので一概に日本の食品は危険とは言い切れません。ただし、食品添加物がどのように使用され、どのように表示されているのかに注意を向けることは大切なようです。

南清貴『「安い食べ物」には何かがある』(三笠書房、2017年)によると、食品添加物は食品の価格を下げるのに大きな役割を果たしているといいます。たとえば、「たんぱく加水分解物」や「酵母エキス」といわれる物質は、これらが加わることでアミノ酸のうまみが加わり、食品がおいしく感じられるそうです。素材の品質が悪くても何とかなるということです。

私たちの味覚は、このような物質によって麻痺させられているということは残念なことなのですが、ここで問題にしたいのは、このような物質が食品添加物の定義に該当しないということです。「たんぱく加水分解物」も「酵母エキス」も食品添加物に指定されていません。限りなく化学調味料に近いにもかかわらず、アミノ酸なので化学調味料ではありません。よって、どんなに大量に使っても「無添加」「化学調味料不使用」と表示ができます。

これらの物質が使われるのは、劣悪な素材を使っていても味が整うためであり、規制もないので、いくら使っても問題にならないという、製造者側にとって都合がよい事情によります。酵母エキスなどは、EUにおいて大量に食べると健康を損ねると明記されているので、やはり体に良いものではありません。

手もとにおせんべいがあったので、袋の表側の表記をみますと「化学調味料、着色料、香料不使用」と誇らしげに記載されていました。そして、袋の裏側の原材料名をみると「たんぱく加水分解物」が含まれていました。これは日本の表示規制に従っているので虚偽記載ではないのでしょうが、少し残念な気持ちになりますし、食品添加物の定義も踏まえて表示を確認していくことが大切であるという気づきが得られます。

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