喫茶店で無料で提供されたり、カフェで自由にテイクアウトしてもいい、あのコーヒーフレッシュですが、何でできているのでしょうか。企業側が無料で提供してもよいと考えるということは、コストはほとんどかからないものなのでしょう。
現時点で、37刷のロングセラーである、安部司『食品の裏側』(東洋経済新報社、2005年)によると、コーヒーフレッシュとは、植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたものを、あの小容器に入れて提供されている商品だそうです。植物油を使用することで、牛乳や生クリームを使用するよりもはるかに安くできます。だから使い放題。
スーパーで販売されているパッケージの裏を確認すると「植物性油脂、乳化剤、増粘多糖類、PH調整剤、着色料、香料」と表示されています。ただし、この表示は、小容器を詰めた袋にのみ表示されていますが、小容器そのものには書かれていません。それは、食品衛生法で容器が30センチ以下の場合は表示しなくてもよいと決められているからです。よって、カフェで個別に提供されていれば、表示を確認することはできません。
植物油と水を混ぜるといっても、水と油は混ざりません。そこで、乳化剤という界面活性剤を使用します。これを入れると、あっという間に油と水が混ざって、ミルクらしく白く乳化するのだそうです。冷静に考えれば、何日も常温でテーブルに置かれていれば、ミルクであれば腐るはずです。安いのには理由がありますが、そこに思い至らず、単に安さを求めていると、自分では理解の及ばない、得体の知れないものを口に入れているということになります。