スーパーでマグロとイカ、サーモンなどが一つのパックに入った刺身の盛り合わせを食べて何となく納得いかない味や触感のことがあります。通常、私たちは刺身の盛り合わせを買う時、生鮮食料品コーナーで買います。そして、同じ売り場には、パックで単品になっている「サク」といものと一緒に並んで売られていますが、どうしても便利な盛り合わせを買ってしまうことが多いのではないでしょうか。ちなみに、サクというのは、刺身にしやすいように形を整えて大きな切り身にしたものです。
オーガニックレストラン協会代表理事の南清貴『「安い食べ物」には何かがある』(三笠書房、2017年)は食品の分類に関して重要な指摘をします。それは、サクのままだと「生鮮品」扱いになり、食品添加物は使ってはいけない決まりになっていること。ところが、刺身の盛り合わせになったとたんに「加工品」扱いになり、食品添加物の使用が認められるということです。
ただそれには理由があり、店としては刺身の盛り合わせにしている間に菌が付着するので、添加物を使用せざるを得ないということもあります。結局、サクとして刺身用のパックが売れ残ると、翌日は盛り合わせにして売られることになります。2日目以降は食品添加物を使わないと鮮度も保てないので、仕方がないということです。
ここで私たちは賢い消費者にならなければなりません。刺身を食べたいのであれば、サクで買って自分で盛り付けるということが望ましいということです。利便性ばかり求めていると食品添加物を取り込む機会が増えるということなのです。日々の買い物で少し気をつけるだけで、私たちは自分に体に良いことを実践できるということを忘れないようにしたいものです。