pickup
小麦に含まれる「グルテン」が体を蝕む

小麦の値段が上がっているようです。小麦の値段が上がると、まず思いつくのがパンの値段が上がるのでないかという懸念です。もちろん、小麦を原料としている食品は、パスタやうどん、お菓子類もあるので、私たちの生活に直接影響を及ぼすことでしょう。

悲観的なことばかり想定されるわけですが、ここは現状を逆手にとって、小麦というものについて考えてみることもできます。単刀直入にいうと小麦と健康の関係です。最近、健康のために小麦を食べることを控えている人が増えています。典型的なケースはパンを食べないということですが、なぜ今さらそのようなことが起きているのでしょうか。私たちは子どもの頃から学校給食で、パンを食べてきており、まるで主食のように慣れ親しんできた食品のはずです。それではなぜ小麦を控える人が増えているのか理由を探ってみましょう。

まず、パンには当然のように小麦が使われています。そして、この小麦に含まれるグルテンというたんぱく質が存在します。もともと小麦に含まれている、グリアジンとグルテニンというたんぱく質が、水を加えてこねることで絡み合ってグルテンになります。

内山葉子『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』(マキノ出版、2020年)によると、パンの弾力性もうどんのコシも、グルテンによって生まれ、フワフワ感やもちもち感という食感もグルテンの生み出すものといいます。そして、このグルテンがおいしさのもとではあるものの、私たちの健康を蝕む元凶でもあると指摘します。

パンに含まれるグルテンが体に悪いというのであれば、西洋人はみんな不健康なのか、というとそうではありません。実は昔から食されている小麦と現代の小麦は異なるようで、品種改良を重ねてよりグルテンをより含むようになっているそうです。それによって、肥料に対する反応がよく、すぐに収穫できるように生育期間も短くなります。そして、日本ではフワフワ感が喜ばれる傾向にあるので、より多くのグルテンを含んだパンがもてはやされるので、より条件は悪いともいえます。

そして、このグルテンですが、人の消化酵素では消化しにくい特徴があり、パンを食べると未消化のものが腸内に残り、結果的に腸から漏れて体内に入りやすくなります。体内ではこの未消化物は異物と見なされるので、それを攻撃する抗体ができるわけですが、それがアレルギーを引き起こす原因にもなるということです。

たとえば、毎朝食パンを食べており、どうも体調がすぐれないとか、アレルギー体質であるとか、アトピーが治らないという人は、このグルテンというものを調べると、何か改善のためのヒントが得られるかもしれません。一度調べてみてはいかがでしょうか。

おすすめの記事