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製薬会社と学会の関係性から自分の健康を考える

糖尿病は製薬会社にとってはドル箱

患者数が非常に多く、しかも一生涯、治療が必要だからです。患者がたくさんいて、しかも薬を一生服用しなければいけないというのが、製薬会社としては最も「おいしい」パターンです。

そして、夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書、2013年)によると、糖尿病学会とは、「糖尿病にはまず食事療法(カロリー制限+脂質制限)を行い、それで治らなければ内服薬治療、それでもだめならインスリン注射」という治療を標準治療として医学会に普及させ、このような治療法が「正しい治療法」であることを世に知らしめることを目的に設立された組織ということです。また、糖尿病専門医とは、このような標準治療に習熟している医者として学会からお墨付きをもらった医者になります。

学会と製薬会社の関係は「マッチポンプ」

ここで、ご本人が医者の夏井氏は、学会と製薬会社の関係が「マッチポンプ」ではないかという問題提起をします。すなわち、マッチで火をつけ、燃え上がっているから「火事だ」と騒ぎ、ポンプを持ち出して「火事を消してあげましょう」という詐欺のことです。少々過激な表現ではありますが、糖尿病患者が増え続けて一向に改善しない状況をみるとそれも完全に否定はできません。なぜなら、血糖値を上げる唯一の栄養素は、脂質ではなく糖質だからです。ところが、専門家にいわれることを鵜呑みにすると気がつきませんし、何となく納得してしまうのですが、本来は糖質をとるから血糖値が上がり、とりすぎると糖尿病になるはずです。これはだれでもわかるシンプルな理屈のはずです。それがなぜか、カロリーが多すぎる、特に脂質のとりすぎるということに原因がすり替えられているわけです。

実際に、簡易血糖測定器があれば簡単に調べられますが、肉を山ほど食べても、食用油をグビグビ飲んでも血糖値はあがらないそうです。一方、糖尿病学会が推奨する食事療法として、毎日の食事を[糖質:タンパク質:脂質]=[60%:16~20%:20%~25%]にして、一日の総カロリーを1600キロカロリーに抑えるというものをいくら実践したとしても、糖質を60%もとっている限り、糖尿病は治らないであろうということは想像がつきます。

専門家の意見は大切ですが、鵜呑みにしてはいけない

医学の世界における専門家の意見は大切ですが、鵜呑みにするわけにはいかないというのがわかる事例だと思います。製薬会社と学会の関係についての問題提起を踏まえると、糖尿病の治療法のケースは、自分の健康は、自分の責任で管理するという心構えが大切であり、専門家の意見も含めて自分で調べ、そして自分で判断することも重要であるという好例だと思います。

参考文献:夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書、2013年)

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