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利便性を優先して大切な食を失わないために

一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表の南清貴氏によると、スーパーで売られている漬物の多くは、海外から輸入された野菜が原料になっていることが多いそうです。そのような野菜は、港に陸揚げされた後に倉庫にも保管されずに外に置かれています。いわゆる野積みといわれる状態で、薬剤液に浸かった状態で長時間保管されているといいます。

この野菜はいったん脱色され、その後に着色されます。着色は毒性が強いといわれますが、それらをさらに漬物用の液体に浸して、真空パックされてスーパーで漬物として売られているということです。

ここで考えなければならないのは、私たちは大切なことを犠牲にしているのではないかということです。つまり利便性を優先させて、時間をかけて食を作り上げるということを忘れてしまたのではないでしょうか。本来は食が体を作るわけなので、効率性や利便性ばかりではなく、丁寧に本物を作るということを考えるべきでした。

小売店にしても大手スーパーが一般的になり、日々の買い物はそこで済ませる人が多いでしょう。あらゆる食材が入手できるので便利です。その代わり、八百屋、肉屋、魚屋、お米屋など小売店がどんどん消滅していきました。本来ではあれば店主と対話しながら、より良い食材を選んで購入し、献立を考えたのでしょうが、スーパーで購入するなら、お惣菜も手に入るので、途中のプロセスはすべてカットできて効率的です。

しかしその結果として、私たちは大切な健康というものを引き換えにしてきたのではないでしょうか。 前出の南氏が目撃した港に陸揚げされた野菜のその後の経過を考えると、私たちが日々口にしている食品は本当に食べてよいものなのかということも感じます。気にしていたら何も食べられなくなりますが、ときには自分たちの食というものを見直すことも必要だと思います。そうしないと、そのうち本来は食べてはいけないような食材を、科学の力で加工して食べさせられているということもあり得ます。そして、それを美味しいと思わされている自分にすら気づかなくなることもあるかもしれません。

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